SUPERVISED BY — 監修者
伊藤 渚
監修者
伊藤 渚Nagisa Ito
STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

プロフィール詳細 ›
中村 水藻
監修者
中村 水藻Mizumo Nakamura
STRAND PARTNERS

お茶の水女子大学卒業後、新卒でアクセンチュアに入社しシニアマネージャーまで昇進。ファーム内部での評価・昇進の実情を踏まえ、大手外資ファーム・ITコンサルへの転職支援を担当。

ANSWER — 結論

コンサルの初任給(新卒1年目の想定年収)は、公表額のある総合系・国内系ファームで年収480万〜650万円程度、外資戦略系で600〜800万円が目安です(外資戦略系は非公表のため編集部参考レンジ)。月給で公表しているファームでは、一般の大卒初任給(月26.2万円/厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」)を大きく上回る水準が並びます。ファーム別の公表額は下の一覧表で出典つきで確認できます。比べるときは「固定残業代を含むか」「賞与は別か」をそろえて見てください。

OUR VIEW — STRAND PARTNERSの見解

「初任給の高さより、2〜3年目にどこまで伸びるかを見るべき」

初任給ランキングを比べて入社先を選ぶ就活生・第二新卒の方は多いですが、1年目の差は数十万円程度です。

コンサルの報酬で本当に差がつくのは昇進のスピードです。同じ初任給でも、3年目にシニアコンサルタントに上がれるファームとそうでないファームでは、5年累計で数百万円の差になります。初任給は入口の目安、選ぶ軸は昇進カーブ——これが支援の現場からの結論です。

ファーム分類別・初任給の参考レンジ

コンサルの初任給は月給ではなく年収ベースで比較するのが実態に合っています。固定残業代やボーナスの扱いがファームごとに大きく異なるためです。

分類新卒1年目の想定年収備考
外資戦略系600〜800万円初年度からボーナス比率が高め。多くのファームは給与非公表
総合系(Big4・アクセンチュア等)480〜650万円賞与込み。残業代の扱い(固定残業代か実費か)はファームによる
IT系500〜600万円職種(コンサル職/エンジニア職)で差がある
国内独立系・シンクタンク500〜650万円ファームによる幅が大きい

※編集部参考レンジ(固定残業代・初年度ボーナスを含む想定)。各社の採用ページ・募集要項の公表値が常に優先です。外資戦略系の多くは給与を公表していません。

ファーム別:新卒初任給の公表額一覧

各ファームが公式の新卒募集要項で公表している初任給をまとめました。月給・年俸、固定残業代の有無など表示の基準がファームごとに違うため、金額をそのまま横に並べて比べるのではなく、注記と合わせて見てください。

ファーム区分・公表額注記(公式表記の要約)出典
KPMGコンサルティング学士/修士・博士
標準年収額 625.1万円/645.1万円
月50時間相当の固定残業手当と理論上の標準業績賞与を含む(28卒募集)募集要項
シグマクシスコンサルタント
初年度年俸基準額 650万円
2028年度新卒募集要項
ドリームインキュベータ大学卒/大学院卒
年額固定給与 600万円/620万円
決算賞与・各種手当を含む年収目安は700万〜720万円(2028年卒)募集要項
ベイカレントコンサルタント職
想定年収 600万円
年2回の賞与を含む。システムコンサルタント職は想定年収500万円(2028年卒)募集要項
デロイト トーマツ コンサルティング学士/修士/博士
基準給与年額 580.3万円/600.1万円/620.3万円
月40時間分の固定時間外手当を含む。賞与は年1回(2028年入社)募集要項
アクセンチュア戦略コンサルタント職/ビジネス・デジタル・マーケ職
年俸 550.9万円/480.0万円
時間外手当(月約30時間想定)・住宅手当・賞与を含む理論値。固定残業制度なし(2027年卒・マイナビ掲載の募集要項)募集要項
NTTデータ経営研究所コンサルタント職
年俸 510万円(基本月額40.8万円)
固定残業制度あり(45時間分)。2025年4月実績(マイナビ掲載の募集要項)募集要項
アビームコンサルティング学部卒/修士・博士了
月給 37.0万円/40.0万円
固定残業制度なし(残業代は別途支給)。賞与年2回。2025年4月実績(マイナビ掲載の募集要項)募集要項
野村総合研究所大学卒/修士了
月給 33.7万円/36.5万円(予定)
全員一律の住宅手当6万円を含む。賞与年2回(2027年4月入社)募集要項
三菱総合研究所学部卒/修士了/博士了
月給 31.8万円/34.1万円/38.8万円
時間外手当は別途全額支給(固定残業制度なし)。賞与年2回(2027年度新卒・マイナビ掲載の募集要項)募集要項
日本総合研究所学部卒/修士了
月給 30.2万円/32.8万円
時間外勤務手当などは別途。賞与年2回(2027年3月卒業見込み)募集要項

※確認日:2026年10月17日。金額は各社の公表値を万円単位に換算(小数第2位を四捨五入)。年収表示(年俸・標準年収)と月給表示が混在し、固定残業代・賞与を含むかどうかも各社で異なります。マイナビ掲載分は企業が掲載した募集要項で、実績値の場合があります。採用年度や職種コースによって金額が異なる場合があります。最新の金額は各社の新卒採用ページで確認してください。

なお、PwCコンサルティング・EYストラテジー・アンド・コンサルティングの公式新卒ページ、およびマッキンゼー・BCG・ベインなど外資戦略ファームの新卒採用ページでは、確認日時点で具体的な初任給額の掲載を確認できませんでした。外資戦略系の新卒1年目は600〜800万円が編集部参考レンジです。

一般の大卒初任給と比べるとどのくらい高いか

区分月額出典・注記
大学卒(全産業・男女計)26.2万円厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」新規学卒者の所定内給与額
大学院卒(全産業・男女計)29.9万円

全産業の大卒初任給は月26.2万円で、賞与を含めても1年目の年収は300万円台が一般的です。これに対しコンサルの新卒1年目は、公表額のある総合系・国内系で480万〜650万円程度、外資戦略系で600〜800万円が目安で、おおむね1.5〜2倍以上の水準になります。

1年目の手取りはどのくらいか

額面年収から所得税・住民税・社会保険料が差し引かれるため、手取りは額面のおおむね75〜80%が目安です。たとえば額面600万円なら手取りは年460万円前後になります。ただし新卒1年目は前年の所得がないため住民税がかからず、2年目から住民税の天引きが始まって手取りが一時的に下がる点は覚えておきましょう。

初任給から3年目・5年目の年収推移

年次典型的な役職総合系外資戦略系
1年目アナリスト480〜650万円600〜800万円
3年目前後コンサルタント700〜950万円900〜1,300万円
5〜7年目シニアコンサルタント〜マネージャー900〜1,600万円1,300〜2,000万円

※編集部参考レンジ。昇進のタイミングにより個人差が大きく、年次はあくまで目安です。

コンサルの年収は年次ではなく役職で決まるため、初任給の差よりも何年目にどの役職に上がれるかのほうが、5年後の年収に大きく効きます。役職別の詳細はコンサルの年収、戦略系は戦略コンサルの年収で解説しています。

なぜコンサルの初任給は高いのか

理由はシンプルで、給与の原資がコンサルタント1人あたりのフィー(顧客への請求額)だからです。新卒1年目でも月数百万円単位のフィーがクライアントに請求されるため、事業会社のように「若手は投資期間」という給与設計になりません。その分、1年目から成果への要求水準も高く、初任給は「期待値の前払い」という性格を持ちます。

初任給の「中身」——基本給・固定残業代・ボーナス

提示年収を比較するときは、次の3点を分解して見てください。

  • 残業代の扱い:固定残業代を含んだ提示か、残業代を別途支給する設計かはファームによって異なります。含む・含まないで額面の見え方が大きく変わるので、募集要項の注記を必ず確認してください
  • ボーナスの変動幅:外資系は基本給に対するボーナス比率が高く、評価による変動も大きい。1年目の想定年収は「標準評価の場合」の数字です
  • 昇給のタイミング:多くのファームは年1回の昇給に加え、昇進時に年収が段階的に上がる設計。初任給の差より昇進スピードの差のほうが累計では効きます
比較のコツ:提示額を比べるときは「固定残業代込みか」「賞与は標準評価でいくらか」「昇進は何年目が標準か」の3点をそろえてください。この3点がそろわない比較は、初任給ランキングとしては意味を持ちません。

第二新卒・中途で入る場合の初年度年収

新卒を逃しても、社会人1〜3年目の第二新卒でコンサルに入るルートがあります。この場合の初年度想定年収は新卒初任給とほぼ同水準か、前職給与を考慮してやや上に設定されるのが通例です。年次別の評価のされ方は第二新卒のコンサル転職で詳しく解説しています。

中途(ポテンシャル採用以外)の場合は初任給の概念はなく、直前年収とアサイン想定役職から個別にオファーが組まれます。

コンサル初任給のよくある質問

戦略コンサルの初任給はいくらですか?

外資戦略系の新卒1年目は600〜800万円が編集部参考レンジです。ただしMBBをはじめ多くの外資戦略ファームは給与を公表しておらず、確定額は選考過程のオファーで提示されます。初年度からボーナス比率が高い設計が一般的です。

コンサルの初任給ランキングは公表されていますか?

各社の確定額を同じ基準で並べた公式ランキングは存在しません。各社が公表するのは募集要項ベースの月給や理論年収で算定基準が異なるためです。正確に知るには各ファームの新卒採用ページの募集要項を確認するのが唯一の方法です。

月給ベースだとどれくらいですか?

年収を単純に12で割った額とは一致しません。固定残業代を含む月給表記のファームと、基本給+変動ボーナスのファームがあるためです。比較するときは「固定残業代込みか」「ボーナスは標準評価でいくらか」を揃えて年収ベースで見るのが確実です。

学部卒と院卒で初任給に差はありますか?

差を設けるかどうかはファームによって異なり、各社の新卒募集要項で確認できます。いずれも入社後の昇進は実力ベースで、学部卒・院卒の差は早期に解消します。

コンサルは1年目からボーナスが出ますか?

多くのファームで1年目から賞与の対象になりますが、入社初年度は在籍期間に応じて按分されることが一般的です。年俸制で賞与を含めて提示するファームもあるため、募集要項の注記で確認してください。

コンサルの新卒1年目の手取りはいくらですか?

額面の75〜80%が目安で、額面600万円なら年460万円前後です。1年目は住民税がかからないため、2年目より手取りが多くなることがあります。