SUPERVISED BY — 監修者
辰本 明日加
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

プロフィール詳細 ›
中村 水藻
監修者
中村 水藻Mizumo Nakamura
STRAND PARTNERS

お茶の水女子大学卒業後、新卒でアクセンチュアに入社しシニアマネージャーまで昇進。ファーム内部での評価・昇進の実情を踏まえ、大手外資ファーム・ITコンサルへの転職支援を担当。

ANSWER — 結論

第二新卒はコンサル未経験採用のなかで最も門戸が広い層です。実務経験の量より「素養と伸びしろ」で評価されるため、職務経歴が浅いことは不利になりません。ただし必ず問われるのが「なぜ短期間で辞めるのか」で、ここを不満ではなく目的として語れるかが分岐点になります。狙い先は総合系・IT系・国内グロース系が現実的で、戦略系も20代前半であれば十分に挑戦する価値があります。

OUR VIEW — STRAND PARTNERSの見解

「実績の少なさより、転職理由の詰めの甘さで落ちる」

第二新卒は「経験が浅くて不利では」と心配される方が多くいます。

当社がこの層を支援してきた実感では、経験の浅さが直接の不合格理由になることはほとんどありません。落ちる理由の大半は、ケース面接の準備不足か、「なぜ2年で辞めるのか」に説得力のある答えを用意できていないことです。面接官は「うちでも同じ理由で辞めないか」を見ています。当社のアドバイザーには採用面談経験者が在籍しており、この問いに耐えられる水準まで模擬面接で詰めています。

なぜ第二新卒の門戸が広いのか

コンサルファームが第二新卒を積極的に採用する理由は3つあります。

  • 育成前提の枠がある:新卒採用と同じ育成ラインに乗せられるため、実務経験の不足が問題になりにくい
  • カルチャーへの適応が早い:前職の仕事の進め方が固まりきっていないため、ファームの型を吸収しやすい
  • 業界拡大による人員需要:特に総合系・IT系は採用規模が大きく、ポテンシャル層の受け皿がある

裏を返せば、第二新卒に求められているのは実績ではなく素養(論理的思考力)と伸びしろ、そしてカルチャーフィットです。

社会人1年目・2年目・3年目で評価はどう変わるか

同じ第二新卒でも、年次によって見られ方と戦い方が変わります。

年次評価のされ方戦い方のポイント
1年目ポテンシャルは新卒同等に見られる一方、「忍耐力不足では」という懸念も最も強く持たれる辞める理由を「不満」でなく「目的」で語れるかがほぼ全て。急がず2年目での応募も選択肢
2年目基礎的なビジネススキルと伸びしろのバランスが最も良く、第二新卒採用の中心層現職で「自分の工夫で変えたこと」を1つ具体的に語れると強い
3年目小さくても実績を問われ始める。ポテンシャルと実績の両方を見られる担当業務を「課題→打ち手→成果」で整理。これ以降は中途枠の評価に近づく

目安として、第二新卒として扱われるのは社会人3年目・26歳前後までです。それ以降は通常の中途採用として、職務経歴の中身で評価されます。

評価される4つのポイント

評価軸見られていること示し方
論理的思考力構造化して考える素養があるかケース面接。ここが最大の関門
学習速度短期間でキャッチアップできるか入社後に習得したこと、資格、独学の経験
転職理由の一貫性不満で逃げていないか現職経験から生まれた問題意識として語る
対人での安定感クライアントの前に出せるか面接での話し方・姿勢。年上と対等に話せるか

「なぜ短期間で辞めるのか」への答え方

第二新卒の面接で必ず聞かれます。ここでの答え方が合否を大きく左右します。

原則:事実は正直に、ただし「不満」ではなく「実現したいこと」として語る。「〜が嫌だった」で止まると、「うちでも同じ理由で辞める」と判断されます。

避けるべき答え方

  • 「配属が希望と違った」「上司と合わなかった」(他責に聞こえる)
  • 「成長できないと思った」(抽象的。何をもって成長かが不明)
  • 「もっと裁量のある仕事がしたい」だけで終わる(1〜2年で裁量を求める理由が語られていない)

通る答え方の構造

  1. 現職で何をやったか:短くても具体的に。担当業務と、その中で自分が工夫したこと
  2. そこで感じた問題意識:「〜という場面で、〜ができないことに課題を感じた」
  3. なぜコンサルで解決できるのか:その課題とコンサルの仕事の接続
  4. だから今のタイミングなのか:3年後ではなく今である理由

志望動機の組み立て方の詳細は未経験からコンサル転職で解説しています。

第二新卒・ポテンシャル採用を公式に案内しているファーム

「第二新卒を歓迎」と書かれた求人は多いものの、ファーム自身が採用サイトで枠を明示しているかどうかは別の話です。各社の公式採用ページで確認できた主な例は次のとおりです。

ファーム公式での枠・名称対象の目安(公式表記の要約)出典
アクセンチュア第二新卒採用大学・大学院卒で、応募日時点の社会人経験(インターンは除く)が4ヶ月以上5年未満公式採用ページ
PwCコンサルティング(Strategy&)中途採用(第二新卒を含む)一定の実務経験を積んだ人の採用を「第二新卒を含む」として通年で実施公式採用ページ
シグマクシスジュニアコンサルタント(FAQで第二新卒の応募先として案内)社会人経験2〜5年程度公式採用ページ
三菱総合研究所新卒採用(社会人経験者も応募可)2024年3月以降に大学・大学院を卒業し、社会人経験3年未満(在職中の応募も可)公式採用ページ
アビームコンサルティング新卒採用(社会人経験者も応募可)卒業から入社までの職務経験が2年以下公式採用ページ
野村総合研究所新卒採用(既卒も応募可)卒業後3年以内。職歴があっても、職歴を加味しない前提なら新卒採用に応募可公式採用ページ
日本総合研究所新卒採用(既卒も応募可)2024年3月以降に卒業し、新卒と同等の枠組みでの採用を希望する人公式採用ページ

※確認日:2026年10月17日。上の3社は採用ページで「第二新卒」を明示、下の4社は新卒採用の枠で社会人経験者・既卒者の応募を受け付けている例です。外資戦略ファームなど多くのファームは「第二新卒」の枠名を設けず、通常の中途採用(実務経験1〜2年以上などが条件)で若手を採用しています。募集の有無や条件は時期により変わるため、応募前に必ず最新の募集要項を確認してください。表にないファームでも、通常の中途採用の枠で第二新卒層を採用している場合があります。

狙うべきファームと応募の順序

優先度ターゲット理由
第1グループ総合系(Big4・アクセンチュア等)/IT・DX系/国内グロース系採用規模が大きく育成体制がある。第二新卒枠を明示しているファームも
第2グループ総合系の戦略部門第1グループで面接経験を積んでから
挑戦枠外資戦略系20代前半なら十分に価値あり。ケース面接の準備は入念に

第二新卒のコンサル選考フローと期間

第二新卒の選考は、基本的に中途採用と同じ流れで進みます。応募から内定まではおおむね1〜2ヶ月が目安です。

ステップ内容第二新卒が特に見られる点
書類選考履歴書・職務経歴書短い経歴でも「課題→打ち手→成果」で書けているか、学歴・資格
Webテスト・筆記玉手箱・TG-WEB・SPI系や独自の筆記新卒時と同様に足切りに使われる。対策なしでの受験は危険
面接(2〜4回)ケース面接+人物面接ケースでの思考の素養、「なぜ短期間で辞めるのか」への答え
内定・オファー面談役職・年収の提示新卒テーブル基準か、前職を考慮した上乗せがあるか

在職中に進める場合、面接日程の調整が最大のボトルネックになります。全体のスケジュール感は選考プロセスとスケジュール、現職に知られずに進める方法は転職活動が会社にバレる場面と対策で解説しています。

第二新卒のコンサル転職後の年収

第二新卒の提示年収は、新卒入社とほぼ同じテーブルからのスタートが一般的です。

入社先スタート年収の目安備考
総合系(Big4等)550〜700万円賞与込み。残業手当の扱いはファームによる
IT・DX系500〜650万円前職がIT職なら加算されるケースも
外資戦略系600〜800万円新卒水準と同等。昇給カーブが急

※編集部による参考レンジ。個別のオファーを保証するものではありません。役職別の詳細はコンサルタントの年収を参照。

前職が1〜3年目の水準(350〜500万円程度)であれば、転職時点で100〜250万円程度の年収アップになるケースが多く、その後の昇給カーブも事業会社より急です。

経験が浅くても通る職務経歴書の書き方

第二新卒の職務経歴書で多い失敗は、担当業務を羅列して終わることです。経験の量では勝負できないので、1つの業務を「課題→自分の打ち手→結果」で深く書くほうが評価されます。

例(法人営業・2年目)
× 「中小企業向けに自社サービスの新規営業を担当」
○ 「担当エリアの失注理由を過去1年分集計し、価格ではなく導入時の手間が主因であることを特定。導入手順書を自作して提案に組み込み、担当エリアの成約率を前年比で改善(チーム内1位)」

数字や順位は、社内で確認できる範囲の事実だけを書いてください。盛った数字は面接の深掘りで必ず崩れます。書き方の全体像は職務経歴書の書き方にまとめています。

第二新卒のコンサル転職でよくある失敗

  • ケース面接を「慣れ」で乗り切ろうとする:新卒の就活で経験があっても、中途のケースは求められる水準が上がる。最低でも4週間は準備する
  • 1社目で本命に応募する:面接経験の少ない状態で本命を受けると、修正の機会がないまま落ちる。第1グループで経験を積んでから本命へ
  • 入社後のギャップを確認しない:第二新卒は「もう1回辞める」ことのダメージが大きい。配属・案件の決まり方、働き方を内定前に必ず確認する
  • 年収だけで決める:数十万円の差より、育成体制と昇進スピードのほうが3年後の年収に効く

対策の優先順位

実務経験が浅い分、ケース面接の比重が相対的に高くなります。時間配分は次を目安にしてください。

  1. ケース面接対策(最優先・4〜6週間):素養を証明する唯一の場。ケース面接完全ガイド参照
  2. 転職理由・志望動機の作り込み(2週間):深掘りに耐えるレベルまで
  3. Webテスト対策(2週間・並行):筆記落ちを防ぐ
  4. 職務経歴書(1週間):経験が浅くても「課題→打ち手→成果」の構造で書く。職務経歴書の書き方参照

第二新卒のコンサル転職でよくある質問

第二新卒として扱われるのは何年目までですか?

明確な定義はありませんが、コンサル採用では社会人1〜3年目・26歳前後までが目安です。それ以降は通常の中途採用として職務経歴の中身で評価されます。3年目以降の方は未経験からコンサル転職のガイドをご覧ください。

第二新卒のコンサル転職で学歴は見られますか?

職務実績が浅い分、新卒採用に近い見られ方をするため、学歴の影響は通常の中途より相対的に大きくなります。ただし総合系・IT系は学歴より素養(ケース面接)重視です。ファーム別の実態は学歴フィルターの記事で解説しています。

第二新卒でもコンサルで年収は上がりますか?

前職が1〜3年目の水準であれば、総合系で550〜700万円程度からのスタートとなり、転職時点で100〜250万円程度上がるケースが多いです。それ以上に、その後の昇給カーブが事業会社より急な点が第二新卒で移る最大の経済的メリットです。

文系・非IT職の第二新卒でもコンサルに入れますか?

入れます。第二新卒の評価の中心は論理的思考力と伸びしろで、文系・営業職などからの転職も一般的です。IT系ファームを狙う場合は、ITパスポートや基本情報技術者などで学習意欲を示すと評価につながりやすくなります。

第二新卒の選考で英語力は必要ですか?

多くの総合系・IT系では必須ではありませんが、外資系ファームやグローバル案件の多い部門では英語面接や英語の筆記がある場合があります。TOEICのスコアがあれば応募書類に記載しましょう。

新卒でコンサルに落ちた会社に第二新卒で再挑戦できますか?

再挑戦は可能です。新卒の選考結果がそのまま不利になるとは限らず、社会人経験で成長した点を示せれば評価されます。ただし前回落ちた理由(多くはケース面接)を克服した準備が前提です。