慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。
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米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
プロフィール詳細 ›在籍者数の推移は、求人票よりも正直な「採用のシグナル」
一般的に、ファームの採用意欲は「中途採用ページの求人数」や「採用計画の発表」で判断されがちです。しかし求人票は取り下げ忘れや形式的な常時掲載も多く、実態を反映しているとは限りません。
当社は、毎月の被保険者数の純増減こそが最も正直な採用シグナルだと考えています。純増が続くファームは「採用枠が実際に埋まり続けている」ことの証明であり、中途の入社機会が開いています。逆に純減が続くファームは選考難易度が下がる場合もある一方、入社後の定着環境を面談で必ず確認すべきです。当社では各ファームの内部状況を踏まえ、数字の背景まで含めてお伝えしています。
はじめに
コンサルティング業界への就職・転職を考えるとき、各社の「採用枠」や「組織の勢い」は気になるポイントです。しかし、公式サイトに掲載される採用計画は実態を反映しているとは限りません。
本記事では、社会保険の被保険者数(=社会保険に加入している従業員の実数)を企業単位で集計したデータをもとに、主要コンサルティングファームの在籍者数の実態と直近6ヶ月の推移を分析します。
被保険者数は採用計画や見込みではなく、実際に在籍している人数に近い客観的な指標です。組織が拡大しているファームは採用が積極的であり、縮小・横ばいのファームは採用が絞られているか、離職が多い可能性があります。就職・転職先を選ぶ際の参考情報としてご覧ください。
なお、本データは特定の企業への評価を目的としたものではありません。
1. 総合・Big4コンサル:ベイカレントが突出、各社で採用ペースに差
6ヶ月推移(2025年9月→2026年3月)
| 企業名 | 2025年9月 | 2026年3月 | 6ヶ月増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| アクセンチュア | 27,735 | 28,482 | +747 | +2.7% |
| ベイカレント(合算)※ | 6,056 | 6,516 | +460 | +7.6% |
| PwCコンサルティング | 5,588 | 5,634 | +46 | +0.8% |
| アビームコンサルティング | 5,256 | 5,384 | +128 | +2.4% |
| EYストラテジー | 4,270 | 4,262 | −8 | −0.2% |
| KPMGコンサルティング | 2,336 | 2,361 | +25 | +1.1% |
※ベイカレントはコンサルティング(5,726→6,094)+テクノロジー(330→422)の合算。合同会社デロイトトーマツは2026年2〜3月にグループ内の組織統合を実施し、2,400人台から9,287人へと急拡大。実態の採用動向とは切り離して考える必要があります。
就職/転職の観点から見る示唆
ベイカレントの+7.6%(6ヶ月)は、4月新卒採用後も月次30〜40人台の純増が止まらない「通年採用型」の成長です。組織が拡大し続けているということは、それだけ採用枠が継続的に開いているということでもあります。中途での入社機会という観点でも、業界内で最も間口が広いファームの一つといえます。
アクセンチュアは絶対数でも業界最大規模を維持しながら+2.7%の堅実な拡大。人数が多い分、職種・部門ごとに多様なポジションが開いている状態が続いています。
PwC・EY・KPMGは横ばいに近い水準で推移しており、新卒採用後の大きな積み上げは見られない状態です。採用が行われていないわけではなく、退職と採用がおおむね均衡している段階とみられます。
2. 戦略系ファーム:マッキンゼーだけが一貫した純減、欧州系が静かに伸びる
6ヶ月推移(2025年9月→2026年3月)
| 企業名 | 2025年9月 | 2026年3月 | 6ヶ月増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| BCG | 1,234 | 1,227 | −7 | −0.6% |
| マッキンゼー | 780 | 748 | −32 | −4.1% |
| A.T.カーニー | 308 | 307 | −1 | −0.3% |
| ベインアンドカンパニー | — | 288 | — | — |
| アーサーデイリトル | 227 | 233 | +6 | +2.6% |
| ローランド・ベルガー | 136 | 151 | +15 | +11.0% |
※ベインは月次推移データ未取得のため3月時点の実数のみ掲載
就職/転職の観点から見る示唆
戦略系ファームは全体として「精鋭を少数維持する」構造であり、採用枠は他カテゴリと比較して絶対数が少ない前提で見る必要があります。
その上で、マッキンゼーの数字は一つのシグナルになります。2025年1月の807人をピークに毎月純減が続き、6ヶ月で−32人(−4.1%)。4月の新卒採用(+35人)があっても翌月には吸収され、それ以降も減少が止まりません。採用よりも退職が上回り続けている状態であり、入社後の定着や働く環境を確認しておくべきファームといえます。
BCGとA.T.カーニーはほぼ横ばいで、退職分を補充する均衡に近い状態です。採用は行われているものの、組織規模の拡大は見られません。
一方、ローランド・ベルガーは6ヶ月で+11.0%と戦略系の中では際立った成長。絶対数は151人と小規模ながら毎月コンスタントにプラスを積み上げており、組織が拡大フェーズにあることが読み取れます。アーサー・ディ・リトルも+2.6%と着実にプラス。MBBに比べると採用の間口が開いているといえます。
3. ITコンサル・独立系:ノースサンドが異次元の成長
6ヶ月推移(2025年9月→2026年3月)
| 企業名 | 2025年9月 | 2026年3月 | 6ヶ月増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| ノースサンド | 1,649 | 1,877 | +228 | +13.8% |
| Dirbato | 1,733 | 1,770 | +37 | +2.1% |
| フォーティエンスコンサルティング | 1,221 | 1,239 | +18 | +1.5% |
| シグマクシス | 710 | 707 | −3 | −0.4% |
| ライズ・コンサルティング・グループ | 382 | 409 | +27 | +7.1% |
| リブ・コンサルティング | 261 | 268 | +7 | +2.7% |
採用の門戸が広く開かれているファームが明確になっています。
就職/転職の観点から見る示唆
ノースサンドは6ヶ月で+13.8%(+228人)と、本記事全カテゴリを通じてベイカレントに次ぐ成長率を記録。2025年1月の1,206人から2026年3月の1,877人へと約13ヶ月で+55.6%という急拡大です。毎月30〜65人の純増が1年以上続いており、組織的に採用を本格稼働させている状態です。
Dirbato・フォーティエンスもNTTデータグループ傘下として着実に積み上げており、「大手ITグループの安定感を持ちながらコンサルとして働きたい」というニーズには合致しやすい選択肢です。
ライズ・コンサルティング・グループは独立系の中で+7.1%と健闘。規模は小さいながらも組織が拡大フェーズにあり、コンサルとしてのキャリアを一から積みたい人には入りやすい時期といえます。シグマクシスは横ばいで、現在は入れ替えが主体の状態です。
4. シンクタンク系:みずほの大幅減少とNRIの緩やかな下落が目立つ
6ヶ月推移(2025年9月→2026年3月)
| 企業名 | 2025年9月 | 2026年3月 | 6ヶ月増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 野村総合研究所 | 9,637 | 9,599 | −38 | −0.4% |
| 日本総合研究所 | 3,787 | 4,873 | +1,086 | ※合併 |
| みずほリサーチ&テクノロジーズ | 3,960 | 3,618 | −342 | −8.6% |
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 1,284 | 1,336 | +52 | +4.0% |
| 三菱総合研究所 | 1,287 | 1,273 | −14 | −1.1% |
| 船井総合研究所 | 1,294 | 1,301 | +7 | +0.5% |
就職/転職の観点から見る示唆
シンクタンク系は金融グループの再編戦略と連動して人数が動くという特性があります。採用動向を読む際には、コンサル市場の需給だけでなく、親グループ全体の動きを把握しておくことが重要です。
みずほリサーチ&テクノロジーズは6ヶ月で−342人(−8.6%)と大幅な減少。2026年1月には単月で−273人という突発的な落ち込みを記録しており、みずほFGによる組織再編(銀行本体への機能統合)に伴う人員移管が背景とみられます。現時点では中途採用の積極化は見込みにくい状況です。
NRIは4月の新卒採用で+408人を取り込んだものの、5月以降は毎月10〜20人規模の純減が継続し、6ヶ月で−38人。退職超過が定常化しており、外資コンサルや事業会社への転職ルートとして機能していることの裏返しといえます。
三菱UFJリサーチは6ヶ月で+4.0%とシンクタンク系で唯一の明確な純増。三菱UFJフィナンシャルグループのコンサル機能強化という方針が採用にも直結しており、転職先としての勢いがある状態です。
まとめ:ファーム選びの視点で整理する
就職・転職先を検討する上で、6ヶ月の被保険者数推移から読み取れることを整理します。
採用に積極的で組織が拡大中のファーム
ベイカレント・ノースサンドは毎月コンスタントに人数を積み上げており、通年を通じて採用機会が開いている状態です。ライズ・コンサルティング、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトル、三菱UFJリサーチも拡大基調にあります。
横ばいで入れ替え採用が主体のファーム
アクセンチュア・アビーム・PwC・KPMGはプラスを維持しているものの増加ペースは緩やか。退職枠を埋める採用が中心になりつつあり、ポジションは開いているものの競争は続きます。BCG・A.T.カーニーも均衡に近い状態です。
純減が続くファームは背景の確認を
マッキンゼーは1年間で60人近い純減が続いており、入社後の定着環境を含めた情報収集が重要です。みずほリサーチは組織再編の影響で大幅減少中であり、情報の見極めが必要です。
よくあるご質問
Q. 被保険者数とは何ですか?在籍者数とどう違いますか?
その企業で厚生年金保険・健康保険に加入している従業員の実数です。公式サイトの「社員数」が採用計画やグループ会社を含む場合があるのに対し、被保険者数はその法人に実際に在籍する人数に近い客観的な指標で、毎月更新される公的データに基づきます。
Q. 在籍者数が減っているファームへの転職は避けるべきですか?
一概には言えません。減少の背景が「組織再編による人員移管」なのか「退職超過の定常化」なのかで意味が全く異なります。純減が長期間続くファームは定着環境の確認が必須ですが、減少局面は中途採用を強化するタイミングでもあり、選考難易度が相対的に下がる場合もあります。個別ファームの実情は無料キャリア相談でお伝えできます。
Q. このデータはどのくらい正確ですか?
日本年金機構が公開する適用事業所情報(毎月20日頃時点)をもとに集計された公的データベースに基づく客観的な数値です。ただし法人単位の集計のため、グループ内の別法人や海外拠点の人員は含まれません。
データ出典:被保険者数データベース(hokendb.com)― 日本年金機構の公開データをもとに集計。本記事の数値は2026年3月時点の集計です。
更新履歴:2026年3月22日 公開/2026年8月24日 記事構成を刷新(データテーブルのHTML化・FAQ追加・監修者情報の明記)