SUPERVISED BY — 監修者
辰本 明日加
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

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高辻 渚
監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

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この記事でわかること

  • 日本総合研究所(日本総研)の企業概要と、調査・コンサル・ITの3機能を併せ持つビジネスモデル
  • コンサルティング部門の役職別年収の目安(当社推定)
  • 中途採用の選考フロー(書類→Webテスト→面接2〜3回)と各ステップの通過ポイント
  • 面接の頻出質問と、志望部門別の選考対策の進め方
  • 転職難易度と、内定する人に共通する条件

日本総合研究所(日本総研)とはどんな会社か

株式会社日本総合研究所(日本総研/JRI)は、1969年2月に創立された総合情報サービス企業です。2003年に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の完全子会社となり、現在はSMBCグループの知的基盤を担う中核企業として位置づけられています。従業員は3,786名(2025年3月末)。野村総合研究所(NRI)・三菱総合研究所・三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)と並び、いわゆる「4大シンクタンク」の一角に数えられる存在です。

日本総研を理解するうえで欠かせないのが、シンクタンク・コンサルティング・ITソリューションという3つの機能を一社で併せ持つという組織構造です。シンクタンク機能は調査部によるマクロ経済・政策の調査研究と、創発戦略センターによる次世代事業のインキュベーションが担い、コンサルティング機能はリサーチ・コンサルティング部門が官公庁・民間企業向けの調査・コンサルティングを提供します。そしてITソリューション機能は、SMBCグループのシステム開発・運用という金融インフラの根幹を支えています。どの機能の求人に応募するかで、仕事内容も選考もキャリアもまったく異なる——これが日本総研転職の出発点となる理解です。

会社名株式会社日本総合研究所(The Japan Research Institute / JRI)
創立1969年2月。2003年に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の完全子会社に
親会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)——SMBCグループの中核シンクタンク
規模従業員3,786名(2025年3月末)
事業領域シンクタンク(調査部・創発戦略センター)/コンサルティング(リサーチ・コンサルティング部門)/ITソリューション(SMBCグループのシステム開発・運用)
分類シンクタンク系ファーム(日系・4大シンクタンクの一角)

転職市場で人気が高いのはコンサルティング機能を担うリサーチ・コンサルティング部門です。同部門は官公庁の政策調査と民間企業向けコンサルティング(戦略・業務・ESG/サステナビリティ等)の両方を手がけており、「政策の現場」と「企業経営の現場」を行き来できる点が、純粋な戦略ファームにはない魅力となっています。また、創発戦略センターは次世代事業・社会実装のインキュベーションで知られ、社会課題の解決を事業として形にする実践的な取り組みを進めています。

日本総研の3つの特徴

  • SMFGの安定基盤とグループ案件の厚み:SMFGの完全子会社という立ち位置は、経営の安定性とグループ発の案件の厚みに直結しています。金融グループの知的中枢として蓄積された知見・ネットワークを土台に仕事ができる環境は、独立系ファームにはない強みです。腰を据えて専門性を磨きたい方に適した基盤といえます。
  • 政策×民間×ITの3機能連携:官公庁の政策調査、民間企業向けコンサル、SMBCグループのITソリューションという3つの機能が一社に同居しているため、政策の知見を民間コンサルに活かす、社会課題の構想を実装につなげるといった機能横断の広がりが生まれやすい構造です。「社会の仕組み」と「企業の経営」の両方に関わりたい方には希少な環境です。
  • 社会課題・ESGテーマの先進性(創発戦略センター):創発戦略センターに象徴されるように、日本総研は次世代事業・社会実装のインキュベーションに早くから取り組んできました。ESG/サステナビリティ領域のコンサルティングにも力を入れており、社会課題解決をキャリアの軸に据えたい方にとって、業界内でも先進的なポジションにあります。

日本総研の年収【役職別】

日本総研の報酬水準は、日系シンクタンクとして安定的なレンジに収まります。外資系戦略ファームのような爆発的な上振れはない一方、SMFGグループの一員としての安定性・福利厚生を含めた総合的な待遇で評価すべき水準です。コンサルティング部門の役職別の一般レンジ(当社推定)は以下のとおりです。

役職年収目安※
コンサルタント550〜800万円
シニアコンサルタント800〜1,100万円
マネージャー1,100〜1,400万円
上位職1,400万円〜

※コンサルティング部門についての当社推定の一般レンジ(あくまで目安)。部門・職種・評価により個人差がある。業界全体の役職別年収はコンサルタントの年収を参照。

年収カーブを左右するのは、入社時にどの役職・グレードでオファーされるかです。同じ経歴でも、これまでの実務経験が「即戦力」として評価されるか「ポテンシャル」として評価されるかで提示レンジが変わるため、職務経歴書の段階から専門性と実績を的確に打ち出すことが重要です。オファー面談では役職・グレードの根拠と昇格の目安を必ず確認しておきましょう。

求める人物像 — 選考で見られる資質

日本総研の選考は部門別採用が基本で、志望部門(調査/コンサル/IT)により評価軸が異なります。ただし、どの部門にも共通して求められる資質と、部門ごとに重視される資質は次のように整理できます。

  • テーマへの関心と当事者意識(コンサル部門):官公庁の政策調査や社会課題テーマを扱う組織である以上、「どの社会課題・政策テーマに関心があり、なぜ自分が取り組みたいのか」を自分の言葉で語れることが強く求められます。関心の深さは、日頃の情報収集量と持論の有無に表れます。
  • 論理性と文章力(コンサル部門):調査・コンサルティングの成果物は報告書・提言書という「文章」です。事実を集めて構造化し、読み手が納得して動ける文章にまとめる力は、口頭の論理性と並んで選考の中心的な評価軸になります。
  • SMBCグループ向けシステムの実務適合性(IT部門):ITソリューション部門では、金融系システムの開発・運用の実務経験が最も直接的に評価されます。大規模・高信頼性が求められる金融インフラを支える仕事への適性と経験の接続がポイントです。
  • 組織で成果を出す協働性:グループ会社・官公庁・民間クライアントと長期的な関係を築きながら仕事を進める組織のため、個人の切れ味だけでなく、周囲と協働して着実に成果を積み上げるスタイルへの適合も見られます。

中途採用の選考フロー

日本総研の中途採用は部門別採用が基本で、標準的な選考ステップは以下のとおりです(内容・回数は目安であり、部門・時期により異なります)。志望部門により選考の性質が大きく異なるため、応募前に「自分はどの機能の、どんな仕事に就きたいのか」を明確にすることが最初の関門です。

書類選考(履歴書・職務経歴書)

応募部門との適合性が最初に見られます。コンサル部門ならリサーチ・分析・執筆・企画の実績を、IT部門なら金融系を中心としたシステム開発・運用の実務経験を、担当領域と成果がわかる形で具体的に記載します。書き方の基本は職務経歴書の書き方を参照してください。

Webテスト

言語・非言語などの適性検査が課されるのが一般的です。難易度自体は標準的ですが、応募者の水準が高いため油断は禁物です。形式に慣れる事前演習で確実に通過したいステップです。

面接2〜3回(目安)

現場社員・管理職クラスとの面接が続きます。コンサル部門では、関心のあるテーマとその理由、リサーチ・提言の実務経験の深掘りが中心で、論理性と文章力が一貫して見られます。「なぜNRIや三菱総研ではなく日本総研か」「なぜその部門か」への解像度が問われます。

オファー面談・条件確認

最終面接通過後、処遇・入社時期の確認を経てオファーとなります。役職・グレードの提示根拠と昇格の目安は、この段階で必ず確認しておきましょう。入社後のミスマッチを防ぐ最後のチェックポイントです。

面接の特徴と頻出質問

日本総研の面接は、奇をてらった質問で揺さぶるタイプではなく、職務経歴と志望動機を丁寧に確認する堅実なスタイルが基本です。ただし「4大シンクタンクの中でなぜ日本総研か」を語れないと、志望動機の段階で差別化に失敗します。コンサル部門では、テーマへの関心・論理性・文章力の3点が繰り返し確認され、IT部門ではSMBCグループ向けシステムを支える実務力が評価の中心になります。

  • 頻出質問の例
  • なぜ日本総研を志望するのですか(NRIや三菱総研ではなく)
  • 志望部門(調査/コンサル/IT)を選んだ理由を教えてください
  • 関心のある社会課題・政策テーマは何ですか。それはなぜですか
  • リサーチや提言の実務経験を具体的に教えてください
  • 調査結果を報告書や提言にまとめるうえで工夫してきたことは何ですか
  • 回答を準備するうえでの視点
  • 「なぜ日本総研か」は、SMFG基盤・3機能連携・社会課題/ESGの先進性など同社固有の要素と自分の経験・志向の接続で語る
  • テーマへの関心は「現状認識→問題の構造→自分なりの仮説」の順で持論として展開できるようにしておく

質問自体はオーソドックスなだけに、準備の深さがそのまま差になります。志望動機の設計方法や深掘りへの対応は面接対策|頻出質問と回答例で詳しく解説しています。

選考対策 — 部門別・ステップ別の準備方法

① 志望部門の見極め:調査・コンサル・ITのどこで戦うか

日本総研は部門別採用であり、志望部門により選考の性質が大きく異なります。政策・マクロ経済の調査研究に軸足を置くなら調査部系、官民のコンサルティングならリサーチ・コンサルティング部門、金融システムの実務ならITソリューション部門——自分の経歴がどこで最も高く評価され、どこでキャリアを積みたいのかを冷静に見極めてください。コンサル部門はテーマへの関心と論理性・文章力、IT部門はSMBCグループ向けシステムの実務経験が評価されるという評価軸の違いを踏まえた応募戦略が出発点です。業界全体の中でのシンクタンク系の位置づけはコンサル業界マップ2026が参考になります。

② 文章力の証明を用意する(コンサル部門)

コンサル部門を目指すなら、論理性に加えて文章力の証明が対策の核になります。調査レポート・企画書・提言書・論文など、自分が構成から執筆まで担った成果物の経験を棚卸しし、「どんな問いに対し、何を調べ、どう構造化し、どんな文章に落としたか」を面接で具体的に語れる状態にしておきます。成果物そのものを見せられなくても、プロセスを再現的に説明できれば説得力は十分に伝わります。

③ 関心テーマの持論を磨く

「関心のある社会課題・政策テーマ」は、日本総研のコンサル部門選考でほぼ確実に問われる論点です。ESG/サステナビリティ、地域、社会保障、産業政策など、自分の経験と接続できるテーマを1〜2つ選び、現状認識・問題の構造・自分なりの仮説・日本総研で取り組みたいことまで一気通貫で語れるように準備します。創発戦略センターが象徴する「社会実装まで踏み込む」姿勢と自分の志向の重なりを示せると、志望動機に厚みが出ます。

④ 「なぜ日本総研か」を比較の中で固める

4大シンクタンクはそれぞれ個性が異なります。NRIはシンクタンク×外販ITの上場大手、三菱総研は研究開発色の強い総研、MURCはMUFG系で中堅企業支援に強み——その中で日本総研は、SMFGの基盤の上で政策×民間×ITの3機能連携と社会課題・ESGの先進性を持つ、という比較の構図を自分の言葉で描けるようにしておきましょう。比較軸の整理にはコンサルファームの種類と特徴が役立ちます。

転職難易度と「内定する人」の共通点

難易度は部門によって異なります。コンサル部門(リサーチ・コンサルティング部門)は採用数が限られるうえ文章力まで問われる難関(★★★★☆★★★★★)、ITソリューション部門は金融系システムの実務経験者にとって相対的に門戸が広い(★★★☆☆)というのが当社の実感値です。4大シンクタンクの一角としての知名度とSMFGグループの安定性から応募者は多く、準備不足のままでは通過が難しい一社です(業界の人材動向はデータで見る業界の人材動向参照)。当社の支援経験から、内定に至る方には次の共通点があります。

  • 志望部門と経歴の接続が明確:「この部門で、この経験を、こう活かす」が一文で言える状態まで応募戦略を磨き込んでいる
  • 文章力の実績を具体的に示せる:報告書・企画書・論文など、構造化された文章のアウトプット経験を成果物ベースで語れる
  • 社会課題・政策テーマへの持論がある:関心テーマについて現状認識から自分なりの仮説まで、自分の言葉で展開できる
ポイント:日本総研は「SMFGの安定基盤×社会課題の最前線」という希少なポジションゆえに応募が集まりますが、評価軸は明確です。志望部門の見極め、文章力の証明、テーマへの持論——この3点を準備してから臨めば、通過率は大きく変わります。逆に、3機能の違いを理解しないまま「シンクタンクだから」という漠然とした動機で受けるのが、最も典型的な不合格パターンです。

よくある質問

日本総合研究所(日本総研)の転職難易度はどのくらいですか?

部門により大きく異なります。コンサルティング部門(リサーチ・コンサルティング部門)は採用数が限られ、論理的思考力に加えてリサーチ・レポーティングなどの文章力、社会課題・政策テーマへの関心の深さまで問われる難関です。一方、ITソリューション部門はSMBCグループのシステム開発・運用を担う中核部門として採用規模が比較的大きく、金融系システムの実務経験者にとっては門戸が相対的に広いといえます。

日本総研の年収はどのくらいですか?

コンサルティング部門についての当社推定の一般レンジは、コンサルタントで550〜800万円、シニアコンサルタントで800〜1,100万円、マネージャーで1,100〜1,400万円、上位職で1,400万円〜が目安です。あくまで当社推定の目安であり、部門・職種・評価により個人差があります。

NRI(野村総合研究所)との違いは何ですか?

最大の違いは資本系列とIT機能の性質です。日本総研は三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の完全子会社で、ITソリューション機能はSMBCグループのシステム開発・運用が中心です。一方、NRIは上場企業として幅広い顧客にITソリューションを外販するビジネスモデルを持ち、組織規模もNRIの方が大きくなっています。日本総研は、官公庁の政策調査への近さや、創発戦略センターによる次世代事業のインキュベーション機能が個性です。

コンサル未経験でも日本総研に転職できますか?

可能性はあります。ITソリューション部門では、金融系システムの実務経験を持つコンサル未経験者の採用が比較的活発です。コンサルティング部門は難関ですが、リサーチ・企画・政策関連業務などで「調べて、分析して、文章にまとめる」経験を積んできた方には、未経験からの挑戦の余地があります。

未経験からの転職ルートの全体像は未経験からコンサル転職もあわせてご覧ください。

まとめ:部門選びとテーマへの持論が日本総研転職の核心

  • 日本総研は1969年2月創立、2003年からSMFGの完全子会社。調査・コンサル・ITの3機能を併せ持つ総合情報サービス企業で、4大シンクタンクの一角(従業員3,786名・2025年3月末)
  • コンサル部門の役職別年収の目安(当社推定)は、コンサルタント550〜800万円から上位職1,400万円〜
  • 選考は「書類→Webテスト→面接2〜3回」が目安。部門別採用で、コンサル部門はテーマへの関心と論理性・文章力、IT部門はSMBCグループ向けシステムの実務経験が評価される
  • 対策の核は、志望部門の見極め・文章力の証明・社会課題/政策テーマへの持論の3点

STRAND PARTNERSでは、シンクタンク系・日系ファームの部門選びから、書類・面接対策まで一貫して伴走しています。日本総研への挑戦をお考えの方は、どの部門で戦うべきかの診断からご相談ください。