SUPERVISED BY — 監修者
辰本 明日加
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

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伊藤 渚
監修者
伊藤 渚Nagisa Ito
STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

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ANSWER — 結論

コンサル出身者を採用するときは、まず出身ファームの種類と役職で得意なことを見極め、任せるポジションと権限を先に設計することが大切です。事業会社で採用ニーズが大きいのはシニアコンサルタント〜マネージャー層で、総合系の年収は900〜1,600万円程度が目安です。採用がうまくいかない原因の多くは、期待値のずれ・権限不足・条件のミスマッチの3つなので、選考の段階で「最初の1年で何を任せ、何で評価するか」を具体的に伝えることが、採用と定着の両方に効きます。

OUR VIEW — STRAND PARTNERSの見解

「コンサル出身者に“答え”を求めると失敗し、“決めて動かす役割”を渡すと活躍する」

コンサル出身者には、外部の専門家のように正解を出してくれることが期待されがちです。

しかし事業会社で活躍するポストコンサルは、自分で決め、現場を動かし、結果に責任を持つ役割を与えられた人です。STRAND PARTNERSが採用企業と求職者の双方を支援していても、ポジションの権限と期待値を最初に言葉にできている企業ほど、採用も定着もうまくいっています。

ポストコンサルとは:出身ファームと役職で「得意なこと」が違う

「ポストコンサル」とは、コンサルティングファームで経験を積んだ後に、事業会社やファンドなどへ転職する人材のことです。ひとくちにコンサル出身者といっても、どの種類のファームで、どの役職まで経験したかによって、得意なことは大きく変わります。採用要件を考えるときは、まずここを分けて考えるのが出発点です。

出身ファームの種類主な経験活かしやすいポジション
戦略系全社戦略・事業戦略・M&A戦略の立案。経営層との議論経営企画、事業開発、M&A、CxO候補
総合系(Big4・アクセンチュア等)業務改革、IT導入、PMO、組織変革など戦略から実行までDX推進、業務改革、PMO、経営企画
IT系IT戦略、システム導入、要件定義、ベンダー管理IT企画、情報システム部門の責任者、DX推進のPM
FAS・事業再生系財務デューデリジェンス、企業価値評価、再生計画財務経理、M&A・PMI、PEファンド投資先の経営企画
シンクタンク系政策調査、リサーチ、官公庁向けの改革支援調査・企画部門、公共分野の事業開発

ファームの種類ごとの特徴はコンサルファームの種類と特徴、役職ごとの役割はコンサルタントとは(役職一覧)でも整理しています。

事業会社がコンサル出身者を採用する4つのメリット

メリット具体的には
1. 課題を整理し、論点を立てられる「何が本当の問題か」を構造化し、経営層が判断できる形に落とし込める。答えのないテーマで手が止まりにくい
2. 経営層と同じ目線で話せる役員クラスへの提案・報告を日常的に経験している。経営会議の資料づくりや論点整理を任せやすい
3. 期限内にプロジェクトを動かせる数か月単位のプロジェクトで、計画・進捗管理・関係者の巻き込みを繰り返している。DX推進やPMOとの相性が良い
4. 社内に「型」を持ち込める会議の進め方、資料の書き方、プロジェクト管理の手法などを持ち込み、周囲の仕事の質を引き上げる

注意点:コンサル出身者の採用がうまくいかない3つのパターン

一方で、「優秀なはずなのに活躍しない」「1年ほどで辞めてしまった」という声があるのも事実です。STRAND PARTNERSが採用企業・求職者の双方から話を聞いていると、うまくいかないケースはおおむね次の3つに分かれます。

① 期待値がずれている

企業は「答えを出してくれる外部の専門家」のような働きを期待し、本人は「事業の当事者として手を動かしたい」と考えている、あるいはその逆のケースです。コンサル時代と違い、事業会社では自分で決めて、自分で実行し、結果の責任を負う必要があります。入社後に何を任せ、何で評価するのかを、選考の段階ではっきり伝えておくことが欠かせません。

② 権限と情報が足りない

「全社改革を任せたい」と言いながら、決裁権も予算も現場への指示権もないポジションでは、どれだけ優秀でも成果は出せません。経営企画やDX推進で採用する場合は、誰の直下に置き、どこまで決められるのかを先に設計しておく必要があります。

③ 年収・働き方の条件が合っていない

コンサル出身者は年収水準が高く、特にマネージャー以上では事業会社の給与テーブルに収まらないことがよくあります。条件を無理に合わせて入社しても、不満が残れば早期の離職につながります。年収の目線と出し方はコンサル出身者の年収相場とオファーの出し方で詳しく解説しています。

どの役職の人を、どのポジションに採るか

コンサルファームの役職は、事業会社のポジションにおおよそ次のように対応します。年収とあわせて、採用する役職の目線を決めるときの参考にしてください。

コンサルでの役職経験年数の目安事業会社で任せやすいポジション
アナリスト〜コンサルタント1〜5年経営企画・事業企画・DX推進のメンバー。分析や資料づくりを担いながら、事業の実務を覚える
シニアコンサルタント〜マネージャー5〜10年経営企画のリーダー、DX推進・業務改革のプロジェクト責任者、PMOの責任者
シニアマネージャー〜パートナー10年〜部長・本部長クラス、事業責任者、CxO候補、PEファンド投資先の経営幹部

※編集部による一般的な対応の目安です。ファームや個人の経験によって異なります。

事業会社で特に採用ニーズが大きいのは、シニアコンサルタント〜マネージャー層です。プロジェクトを一人で回せる経験があり、かつ年収も事業会社の管理職クラスに近づけやすいためです。

コンサル出身者の年収の目線

総合系ファームの役職別の年収レンジ(編集部による参考値)は次のとおりです。戦略系はこれより高く、IT系はやや低い傾向があります。

役職年収レンジ(総合系)
アナリスト500〜700万円
コンサルタント700〜950万円
シニアコンサルタント900〜1,200万円
マネージャー1,200〜1,600万円
シニアマネージャー1,500〜2,200万円

※編集部による参考レンジ(基本給+標準的なボーナス)で、各社の公表値ではありません。ファーム種類別の一覧はコンサルの役職別年収を参照。

ファーム種類別の目安、公的統計、事業会社に移るときの年収の考え方、オファーの出し方は、コンサル出身者の年収相場とオファーの出し方にまとめています。

コンサル出身者が転職先に求めるもの:響く口説き方

コンサル出身者は、複数の会社から声がかかっていることが少なくありません。年収だけで競うと、資金力のある会社に負けてしまいます。STRAND PARTNERSの転職支援で、ポストコンサルの方が転職先を選ぶときに重視していることは、主に次の5つです。

重視すること選考で伝えると響く内容
事業の当事者になれるか提案で終わらず、自分で決めて実行し、結果まで見届けられること。担当する事業や数字の具体像
経営との距離誰の直下で、経営会議にどう関われるか。社長・役員が面接に出て、直接期待を伝えること
任される範囲と権限予算・人・意思決定の範囲。「何でも任せたい」より、最初の1年で任せることを具体的に
次のキャリアにつながるか数年後にどんな役割・役職を目指せるか。事業責任者やCxOへの道筋
働き方コンサル時代より持続可能な働き方ができるか。ただし「楽になる」だけの訴求は逆効果になりやすい

選考での見極め方:面接で聞くべき質問

コンサル出身者は面接での受け答えが上手なため、話の上手さに引っ張られて判断を誤りやすいです。「コンサルタントとして何をしたか」ではなく、「事業会社で同じことができるか」を確かめる質問を用意しておきましょう。

質問見ていること
そのプロジェクトで、あなた自身が決めたことは何ですか?チームやクライアントの成果と、本人の役割を切り分けて話せるか
提案した内容は、その後どうなりましたか?提案で終わらず、実行や結果にまで関心を持っているか
思いどおりに進まなかった案件で、どう立て直しましたか?現場の抵抗や制約の中で、人を動かした経験があるか
当社の課題を一つ挙げるとしたら、何から手をつけますか?情報が少ない中での論点の立て方と、現実的な一歩目を考えられるか
なぜコンサルを離れ、なぜ当社なのですか?転職の理由が「疲れたから」だけでなく、事業の当事者になりたい動機があるか

採用チャネルの比較

チャネル向いているケース注意点
人材紹介(エージェント)要件に合う人に絞って会いたい。転職を考え始めた層にも届けたい成功報酬の費用がかかる。コンサル業界に詳しい紹介会社を選ぶ
ダイレクトスカウト社内にスカウト文を書き、候補者を選べる担当者がいるコンサル出身者には多くのスカウトが届くため、個別の文面でないと読まれにくい
リファラル(社員紹介)社内にコンサル出身者がいる人数が限られ、計画的に採用しにくい
自社の採用サイト知名度があり、指名で応募が来るコンサル出身者は自ら応募するより、声がかかって動くことが多い

人材紹介の費用は、一般に採用した人の年収に一定の料率をかけた成功報酬です。公的な統計では、有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は全職種平均で約103万円(令和6年度)でした(厚生労働省「令和6年度 職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」)。年収の高いハイクラス人材では、1件あたりの費用はこれより高くなります。

入社後の定着:最初の90日で決まる

時期やること
入社前最初の1年で任せること・評価の基準・決裁の範囲を文書で共有する
〜30日事業・数字・キーパーソンを知る期間。経営層との定例を設け、期待をすり合わせる
〜60日小さくても成果が見えるテーマを1つ任せ、社内の信頼をつくる
〜90日本来のミッションの計画を本人に立ててもらい、経営と合意する

コンサル出身者は、成果が見えない状態が続くと早めに見切りをつける傾向があります。最初の90日で「ここで成果を出せる」と本人が実感できるかどうかが、定着を大きく左右します。

採用のご相談:STRAND PARTNERSは、コンサル出身者・SIer出身のPMなど、コンサル・DX領域のハイクラス人材に特化した人材紹介会社です。ご相談いただいている求職者の約5割がコンサルティングファーム出身、2〜3割がSIer・IT企業出身です。要件が固まっていない段階の情報交換から承ります。採用のご相談はこちら ›

ポストコンサルとは何ですか?

コンサルティングファームで経験を積んだ後に、事業会社やファンドなどへ転職する人材のことです。出身ファームの種類(戦略・総合・IT・FASなど)と役職によって、得意なことが大きく変わります。

コンサル出身者を採用するメリットは何ですか?

課題を整理して論点を立てられること、経営層と同じ目線で話せること、期限内にプロジェクトを動かせること、会議や資料・プロジェクト管理の「型」を社内に持ち込めることが主なメリットです。

コンサル出身者の採用で失敗しやすいのはどんなときですか?

入社後に任せる役割の期待値がずれているとき、決裁権や情報が足りないポジションに置いたとき、年収や働き方の条件が合っていないときの3つが多いパターンです。

どの役職のコンサル出身者を採用すればよいですか?

経営企画のリーダーやDX推進・PMOの責任者なら、シニアコンサルタント〜マネージャー層が目安です。部長・事業責任者・CxO候補ならシニアマネージャー以上が対象になります。

コンサル出身者の採用にはどのくらい費用がかかりますか?

人材紹介を使う場合、一般に採用した人の年収に料率をかけた成功報酬です。厚生労働省の集計では、常用就職1件あたりの手数料は全職種平均で約103万円(令和6年度)で、年収の高いハイクラス人材ではこれより高くなります。

FOR EMPLOYERS

コンサル出身者の採用を、要件づくりからご支援します

STRAND PARTNERSは、コンサル出身者・SIer出身のPMなど、コンサル・DX領域のハイクラス人材に特化した人材紹介会社です。成功報酬型で、ご相談・ご紹介の段階では費用はかかりません。要件が固まっていない段階の情報交換から承ります。

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